映画とインテリアブログ 「第13作目」

建築学概論 000

皆さん、「初恋」って覚えていますか?

いきなりキモい出だしで申し訳ありません(笑)
ここで云う「初恋」は良くある「幼稚園の先生」とか、
「小学生2年の頃・・・」なんていう「なんとなく好き」みたいな
甘噛みの幻想の事ではなく、胸がキュンキュンして
夕焼けがいつもと違って見える思い出が切なさと共に心の奥底にしまってある類の「初恋」です。

先日、「住まい(インテリア)」と「初恋」という
あまり今まで聞いた事のない組み合わせの映画を観て、とても心を掴まれたので
「インテリア」「初恋」「映画」の三角関係で紹介したいと思います。

「建築学概論」

建築学概論 010タイトルが直球過ぎて、一見、専門書のタイトルと見間違えたかと錯覚してしまう韓国映画です。
実際、私も間違いないか再確認して紹介していますw

世間一般的に韓国映画と言えばベタベタの恋愛ものとかのイロモノ的な映画が多いと誤解している方も多いかも知れませんが、実際の韓国の映画のクォリティーは驚く程高く、ハリウッドでリメイクされる作品も多いです。

個人的には
欧米と比べても全く見劣りしない作品がコンスタントに生み出される文化大国だと思っています。

ストーリーは新鋭の建築家の主人公のもとに大学時代に片想いをしていた女性が
突然、「家を建てて欲しい」と現れ、そこから過去の「初恋」に隠された秘密が
現在の二人を大きく揺さぶっていくというお話です。
建築学概論 004

この作品が出色であるところは「住まい」をキーワードにした点がワザあり!!ですね。

「住まい」が過去の自分と今の自分、そして今の自分から未来に踏み出して行く
自分という時間の経過と共に変わっていく境遇の象徴として
ストーリー上の重要な語り部として機能しており、登場人物の想いとリンクしているところが
今までにないアプローチでしたし、インテリアを仲介して「住まい」に関わる
仕事に従事している者として、とても深い共感を覚えずにいられませんでした。

その共感とはつまり、「引越し」や「結婚」のような人生における節目で
家具をご購入頂く事が多い我々が経験上、知っている
『多くの時間を過ごす「住まい」に変化を与え、その変化を源に「人生」をリセットしたり、
リスタートさせるという力が「住まい」(インテリア)にはある』と云うことです。

建築学概論 003「初恋」という誰もが経験する美化された想い出と「実生活」のリアル。
その間に横たわる大きな溝を飛び越えたように思える一瞬があったなら、とても素敵なことでしょうね。

そんな幻想(特に男性に顕著!!)を映画という
フィクションの中で擬似体験出来るところに
この映画がヒットした理由があるように思えます。
(韓国では410万人を動員したらしいです)

 
ヒロインの顔が大学時代と現在で全然、違っているのが
不思議ですが(笑)両人とも非常に魅力的で世の殿方のハートを鷲掴みにしたのも納得です。
建築学概論 011 建築学概論 012
特に大学時代のヒロインは一見、あまり美人ではないですが、物語が加速していくにつれ、
知らない間に心を奪われてしまう女優さんでしたね。

とても丁寧に作られた映画なので、結構、幅広い層に受け入れられる映画だと思います。
私も自分の初恋を思い返しながら、「引越ししよーかなー」なんて考えてしまう
今までに経験ない余韻に浸ってしまいました(笑)

気軽に観れ、且つ程良い余韻を残す、
お手頃なビンテージワインのような映画です。

久しぶりに甘く酸っぱい(苦い?)「初恋」にもう一度、会ってみては如何でしょう?

「建築学概論」予告

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