映画とインテリアブログ 「第16作目」

経験したことのないほど雨の多い夏が過ぎ、個人的に大好きな秋がやってきました!
しかしこの季節は油断すると一瞬で終わってしまう刹那の季節。
夏の余韻に浸って気付けば、冬!!なんてことにならないようにしなければなりませんw

さて、秋と言えば「読書の秋」ですね
現代では空調が発達して、暑さや寒さで本を読む気にならないなんて云うことは
言い訳にしかなりませんが、エアコンなんてない昔は涼しくなって、
ようやく気温のアレコレに悩まされない秋は
「本でも読もうか」という余裕の生まれる季節だったのでしょうね。
この季節特有の乾いた風を感じながらの読書は何物にも代え難い贅沢な時間です。

ところで皆さんはどんな場所で読書しますか?

ソファで?ベッドで?ダイニングテーブルで?
はたまたお気に入りのラグの上に寝転んで、なんて方もいるでしょう。

しかし、昔の読書はデスクの上でというのがフォーマルな読書でした。
きちんと椅子に座って机の上で本を読む。
結構、堅苦しいスタイルの読書ですが、識字率の低かった昔は
本を読むという行為は一定の階級以上に許された特権だったのです。

そのような時代において読書に机という組み合わせは今でさえお堅いオールドスクールな
読書のスタイルですが、実は真っ当な機能と目的の組み合わせなのです。

そこで今回は映画の中で「デスク」が際立った映画を紹介します。

「シングルマン」

シングルマン

以前、このコラムで「暖炉」をテーマとした時にも紹介した
トムフォード監督デビュー作の「シングルマン」に出てくるデスクは
ザ・ミッドセンチュリーというべきシンプル且つスタイリッシュなデスクで非常にカッコイイです。
この映画は本当に衣装からインテリアなど画面に映る全てのモノに美意識が行き届いており、
服好き、インテリア好きの人は必見ですよ!!

私の中では探偵モノの映画には飾り気のない事務所にラギッドな「デスク」というのは
欠かせない小物の一つだと思っています。

そんな探偵モノの名作 「マルタの鷹」から

「マルタの鷹」

マルタの鷹

ハンフリー・ボガートが燻銀の存在感で本当にカッコイイ!!
ボガートの映画を観ずして「漢(オトコ)」語るべからずです(笑)

「映画と恋とウディアレン」

映画と恋とウディアレン
映画と恋とウディアレン

ウディ・アレン監督のドキュメンタリー「映画と恋とウディアレン」に登場するデスクが素敵。
とても小さなデスクにタイプライター。職業柄、大きなデスクをイメージしますが、
非常にコンパクトで部屋の雰囲気にマッチした感じがアレン監督らしく洒脱です。

同じく映画監督繋がりで日本の国宝、宮崎 駿監督のデスクがこちら
宮崎駿監督

ウディ・アレン監督と比べると研究者のデスクの様相ですね。
周りの小物を含めてその人物像を物語っているようで面白いですね。

探偵、ライターときて机が引き立つ設定の映画として外せないのが
「ギャング映画」いわゆるYAKUZA映画です。

ギャングのボスは押し並べてその大きさが度量の大きさを物語るかのように無駄にデカイ!確かに交渉や脅しの現場では自分を大きく見せて優位に立つ必要がありますからね。
そんな分かり易い例がブライアン・デ・パルマ監督の名作「スカーフェイス」!!

「スカーフェイス」

スカーフェイス
どうですか!?この無駄な感じ!!デスクライトデカすぎ!!!

もうギッラギラのイケイケだった若きアルパチーノが成り上がっていく様を
ドギツク活写した超肉食系男子映画です(笑)

こうやってデスクの存在感が強い作品を思い出してみると、その使用者の個性も際立っていますね。
これはデスクという非常にパーソナルな行為を行う家具としての機能性と
使用者の一種の聖域的な場所という面が他の家具と比べて突出しているからなのかも知れないですね。

書斎に強い憧れを持つ私も今回のデスク特集を書きながら、いずれは
「自分専用のデスクを!!」という思いを改めて持った次第でございます(笑)